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平成24年4月11日 泉田知事定例記者会見要旨

(震災がれきの受け入れについて)

 震災がれき受け入れの問題ですが、6日の(環境省への)回答に「被災地でがれき処理を進めてほしい」というような質問状も付けたということですが・・・。

A 知 事
 それも選択肢の一部でしょうということです。IAEA(国際原子力機関)の原則をもう1回言います。放射能については、人間社会から隔絶して1カ所に封じ込めをするというのが基本原則です。ばらまいてはいけません。基本的にはなるべく集中させるということです。例えば、水爆実験をやった南太平洋の環礁もありますが、(放射性物質を)薄めるように諸島全体にばらまくことはしないわけです。放射能を浴びたものを1カ所に集めて、そして島への帰還を実現しているわけです。放射能を薄めてばらまくという考え方はIAEAの基本原則に反していますので、基本的には放射能をいかに集めるかということに人類としての英知を注ぐべきだと考えています。

Q 
 (県内の)5市が受け入れを表明していると思いますが、5市の基準が8,000ベクレルよりかなり低い100ベクレルとなっています。クリアランスレベル以下になっていると思いますが、それでも慎重になっている知事の意見を聞かせてください。

A 知 事
 まず放射能(の影響)にしきい値というのはないのです。総量としてどうなるのかということと、(環境省へ提出した)質問状の中にも書いておきましたが、現実に国の基準以下の焼却灰を埋め立てていた処分場で排水から基準値超えの放射性物質が検出されているという事例があります。つまり濃縮するのです。先ほどの質問と一緒なのですが、ある一定基準であれば薄めればいいというのは、これは「放射能をなめたらいけない」ということなのです。放射能というのは、低レベルであっても人体に影響を与え得るという前提で対処していくべきものなのです。だからこそ、今までは全国で(青森県六ヶ所村に)1カ所しか処理場を持っていなかったわけです。さらに高レベル廃棄物処理場等というのは国としてもまだ持てていない状況ですので、放射能に対する基本原則を変えないということです。やはり人間社会といかに隔絶していくかということが重要なわけです。レベルが低くても、膨大な量を集めて濃縮したら害を及ぼす可能性はあるわけですから、単なる濃度だけでは決められないということです。総量全体についても考える必要があるということだと思います。
 念のために申し上げておくと、チェルノブイリ事故で一体どれだけの方が追加的ガンで亡くなるかをご存じですか。どこの基準を採用するかというとことはあるのですか、WHO(世界保健機関)によれば、4,000人から9,000人が追加的にガンで亡くなるという推計があるのです。(これ以外に)体調に影響を及ぼす人も出得るわけですから、その辺りの知見がないということであれば、安全サイドに基づいて放射能に対応することが必要だと思っています。これは諸外国に対してもだらしのない対応をすれば日本政府、日本全体の信頼が失われるわけです。ですから放射能に対しては、原発事故の前と事故後とで対応を変えるのではなく、同じように厳格に対応しているという信頼を獲得しなければ、それ以外のところにも悪影響を及ぼす可能性があると思います。まずは放射能にしっかりと対応することが大事だと考えています。

Q 
 5市の方では、管理型の最終処分場に100ベクレル以下のものに(したものを埋め立て)できれば大丈夫だろうというような見解のようです。県内の最終処分場において、封じ込めという意味で言うと心配だということなのか、その辺りをもう少し詳しく教えてください。

A 知 事
 もう1回言います。どこの国に市町村毎に核処分場を持っている国があるのですかということです。放射能については1カ所に集めるべきなのです。それで厳重に管理をするということです。例えば市町村が処理するのは一般廃棄物です。これは、(廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、)放射能を除くと書いてあるのです。放射能については取り扱わないことになっているのに、突然取り扱っても大丈夫になった理由をきちんと説明しないと不安が残るということではないでしょうか。先ほども言いましたが、現実に群馬県伊勢崎市では、国の基準以下の焼却灰を埋め立てたのに、排水から国の基準超えの放射性セシウムが検出されているわけです。ですから、しっかりと放射能は対応する必要があるということを申し上げています。

Q 
 昨日、焼却場の地元である三条市の福島新田地区で、初めてがれき受け入れに関する住民説明会が開催されました。住民の方からは、反対の声や時期尚早とする声等が多かったのですが、それに対する受け止めと、がれき受け入れに関しての住民合意のあり方として、どの程度まで必要だと考えていますか。

A 知 事
 まずは国の基準が問題なのです。国が放射能にだらしなく対応しているということです。世界に対し、「日本の食品は安全です」と言ってから、「牛肉は汚染されていました」ということになったわけです。「これは大丈夫です。おかしいものは流通しません」と言って計測してみたら(基準値を)超えていたということを続けている状況で、「安全です」ということが、どの程度信用されるのかということです。まずは国がきっちりするというところから始めるべきだと思います。つまり自分が安全を確認できないのに「安全です」と言って、「合意はどうすればいいでしょうか」というのは愚問だと思います。まずはやるべきことをやるという手順が必要なのだと思います。

Q 
 三条市の方では、住民合意に関して何を持って合意とするのかという部分が曖昧なようなのですが、知事としてはその辺りをどのように考えていますか。

A 知 事
 どうなのでしょうか。どのように合意とするのでしょうか。今、私が「こういうふうにすべき」ということを言うべきタイミングでもないと思います。がれきの受け入れはOKなのです。そうではなくて、私が言っているのは放射能をどう防護するかという話で、(基準値等を)緩めていいのかということを言っているわけです。放射能防護がなぜ一緒に緩むのですかということです。がれきの話ではなく、放射能の話をしているのです。したがって合意がどうあるべきかというのは愚問で、まずは放射能にしっかり対応してもらうということが先にあるということなのではないでしょうか。

Q 
 先日、環境省に提出した質問項目が6つあったと思います。なかなか納得のいく回答は難しいのではないかと思いますが、納得のいく回答がない場合、知事の対応は変わらないということでしょうか。

A 知 事
 まずは回答を待ちたいと思います。回答が来て、回答内容によってどうするかを判断するわけですので、今この場で事前に結論が出るものではないと思います。

Q 
 その(国からの)回答についてですが、回答期限を設けたりはせず、環境省からの回答を待つということでしょうか。

A 知 事
 はい。

Q 
 知事は先ほど「放射能をなめてはいけない」というようなことを言いましたが、例えば三条市では、「100ベクレル以下は放射性物質とは見なさない」というような言い方で住民説明をしていますが、このことについてどのように受け止めますか。

A 知 事
 専門家がいないと、そういうことになるのでしょうか。どういうことかと言うと、原子炉等規制法に基づきクリアランスレベルとされている100ベクレルというのは、鋼材やセメントなのです。すなわち外部被ばくを想定した基準なのです。焼却灰や飛灰等から水溶性の放射性物質が溶け出して地下水等に混ざり込むというのは内部被ばくの問題なのです。本当に一律に議論していいのかというような部分の検討はなされていないのでしょうか。原子炉等規制法では100ベクレルであれば全てOKということにはなっていないのです。

Q 
 知事と5市長との間にはだいぶ認識の違いがあると思いますが、直接会って再考を促したり、今ほど話があったような、「専門知識に基づいて判断しているわけではないのではないか」といったこと等について、直接話す機会を設けるような意思はないのでしょうか。

A 知 事
 事務的な接触をしているわけです。こういった基準のような話はトップ同士が話すことなのでしょうか。ものすごく専門的な話が入ってくるわけで、今の再稼働議論のように政治主導でやるのではなく、きちんとした積み上げが私は重要だと思います。つまり基礎的な情報や知識が一致しない中で(トップ同士が話し合いを)やって、政治主導で決める話ではないと思います。放射能は放射能でどのように防護するかという専門知識はあるわけですから、そこをまずご理解いただく方が先なのではないでしょうか。
by hontou-no-koto | 2012-04-14 22:26 | せいじ


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